4/26
――オリックス石毛監督解任!――
なにをかいわんや,オリックス石毛監督が“既定路線”で解任された。各メディアは“電撃解任”と言うが私にはそうは思われなかった。去年から石毛監督は,オリックス宮内義彦オーナーから来年は開幕から飛ばして,優勝が義務だ,といったことを言われていた。実際,岡添球団社長とともに,去年のドラフトでは,もとロイヤルズのマック鈴木を獲得し,さらにメジャー帰り吉井,600万ドルをかけてブラウン,オーティズという外国人を獲得した。そして,けがが続き,もう限界といわれた平井を放出し,中日から元本塁打王の山崎を獲得した。さて,ここまで見ると,岡添社長からすれば,石毛監督にはすばらしい補強のプレゼントをあげたかのように思われる。だが,現実は違った。まず,外国人だが,まったく現場の意向が反映されない,フロント主導の獲得だったことが判明している。つまるところ,野球の素人の視点で見た外国人を大金をはたいて獲得したのだ。そして,それを“プレゼント”として,打てない,守れない中で使わざるを得なかった石毛監督も気の毒であった。
さらに,マック鈴木の獲得。これは,私の意見なので,オリックスどうこうではないのだが,まず,私が見たところで,“メジャーブランド”は,日本の野球に関していえば「幻想」に過ぎないというところなのだ。たとえば,伊良部,石井,野茂,佐々木,そして大家すらもいえるのだが,ある程度日本の野球を知っているからこそ,メジャーでも活躍ができる。それは,小さいところから現れる。たとえば,クイック。細かい制球。こういったものは日本特有で,しつこく練習をする。だが,メジャーでは,それほど必要とするところではない。さて,日本のプロを経験してないマック鈴木がはまったのはここである。彼は,まったくといっていいほどクイックができない。そして球に威力はあるが制球力がない。オリックス山口が158km/hという史上最高のスピードボールをダイエー松中に対して投げたとき,松中はそのボールをバットに当てた。そして,彼は言った。「158km/h?でもバットに当たったよ。その後のボールのほうが嫌だったな」と。つまり,ボールが速いだけでは,一流のバッターには歯が立たないということなのだ。中日の大ベテラン,山本昌広投手も自身のホームページの質問コーナーで「160km/hのスピードボールが常時投げられればプロで通用しますか」の問いに,「制球力があれば通用する」と答えている。山本昌広の最速は出ても135km/hから138km/h。それでも,150勝以上の勝ち星を積み重ねてきているのだ。やはり,ただ速いだけでは話にならないということ。マック鈴木は,確かにいいピッチャー。しかし球が速いだけでは日本では通用しない。それは,石毛監督ほどの人間ならばわかっていたのではないかと思う。だが,石毛監督は,春キャンプの時点で,マック鈴木の期待を大にし,「本拠地開幕はマックだ」と公言する。認識の甘さを指摘されても何も言えない。
もうひとつ。私が気になったのは,去年のドラフト会議の前の石毛監督の発言だ。「何も知らないのにドラフト会議に出席してもしょうがない」という発言。これは大問題だと思う。メディアはこの発言をただの記事としてしか取り上げなかったが,私はそのときから最悪のシナリオを描いていた。確かに新人発掘はスカウトの仕事だ。しかし,監督も当然なにかの情報を得て,なんらかの意見を出しているはず。阪神星野監督などは,かなり入念にスカウト,そして,対象の新人をチェックする。これは,当然のこと。それでは,先の石毛監督の発言は何を意味するのか。石毛監督に情熱がなかったのか?違うと思う。石毛宏典という人は情熱,熱血の塊の人。この発言は暗にフロント主導で何でもおこなわれ,自身の発言を許されなかったところの我慢の限界からポロリと出たものであったのだろう。つまり,これまでつれづれと書いてきた文章の結論は,石毛監督はフロントの操り人形でしかなかったということである。
もちろん,マック鈴木に関しては,すでに述べたように石毛監督の認識の甘さも指摘せねばならない。だが,マック鈴木は,石毛監督と以前からの交流があった。そして,自分が探して,初めて獲得した秘蔵っ子という意味合いがあったのではないか。だからこそ頑張ってほしい,という過大な評価につながったのかもしれない。そうとすら思われる。
とにかくいずれにしても,またまたフロントの無能さを露呈した最悪のシナリオが野球界に衝撃を与えてしまった。もう石毛宏典という人が監督をやることはないと思う。あれほどの情熱を持った人が若くして監督失格の烙印を押されることの衝撃の大きさというものを,何も知らずにのうのうと社長,もしくはオーナーの地位についている人間にきっちりと知らしめなければならない。責任転嫁と言う言葉は彼らのためにあると思う。

4/25
−−池山隆寛氏のコラムを見て思ったこと――
ヤクルトの“イケ・トラ”コンビを皆さんは覚えているだろうか?そう,“イケ”とは,当時ブンブン丸と呼ばれ豪快なホームランと三振が魅力の池山隆寛。“トラ”とは今は阪神で貴重な代打として活躍する,当時はヤクルトの4番を張る広沢克実のことである。その“イケ”こと池山氏は去年のシーズン終了後ユニフォームを脱いだ。今は,サンケイスポーツの専属の評論家,そして,解説者としての新たな一歩を踏み出している。私が今回指摘しておきたいレポートは,その池山氏の書いたコラムのことである。少々おせっかいな面もあるかもしれない。
実は私はサンケイスポーツのホームページの記事を毎日必ずチェックするようにしているのだが,その中で時々,池山氏が自身で気になった点などを指摘するコラムが掲載されている。そのコラム自体は,なかなかプロの眼で見た鋭い視点で述べていて,私も面白く読ませてもらっているのだが,ただひとつ気になることがある。それは,コラムが大阪の方言そのままの文章で書かれていることだ。たとえばこうだ。

「“セーブ”って,救うっていう意味やけど,ホンマに救われたのは河原本人やと思う。・・・(中略)原監督はストッパーを代えるつもりはないんやろね。」

私はこの文章を実際に新聞というメディアに掲載するにはどうなのかと思った。確かに,池山氏は尼崎市出身。日常会話で大阪の方言を操る。だから,こういう風に文章を方言丸出しで書くのはひとつの個性として,評価されると思っているのかもしれない。だが,私は,そんなことで個性という言葉を使ってほしくないのだ。「文章」と,「一般的な会話」は違う。ましてや新聞というメディアに掲載されるもの。正しい標準の日本語で掲載するのが正しいのではないか。だが,そんなことを言うと,池山氏の個性が・・・などという人がいるかもしれない。それは,大きな間違いである。池山氏は,前述の通り,ヤクルトの黄金時代の主力を広沢選手と背負った,いや,その前のまだヤクルトがさほど強くない時代から,球界の人気者として,そしてセリーグを代表するホームランバッターとして余りある活躍をしてきた。現ヤクルト監督の若松勉のつけていた背番号1を継承する名実ともにヤクルトの主砲だったのだ。時とともに自身の弟子,若武者岩村の成長もあり,代打に追い込まれることとなった。だが,それでも,池山氏の人気は絶大,昨年の池山氏の引退試合。神宮球場は消化試合にもかかわらず満員御礼となるほどであったのだ。
私がここでいいたいこと。それは,池山氏はもう十分に自身の個性というものを野球人生の中で誇示してきているのだ。だからこそ,これから解説者として外から球界を見つめ,そして最終的には,コーチ,監督として再びユニフォームを着ることになる池山氏には,しっかりとした勉強をして,一回り大きくなった姿で球界に戻ってきてほしい,そう思うということだ。コラムを方言丸出しで書く。それは個性でもなんでもない。コラムこそ,しっかりと自分の考えを示し,それを読者にいかにわかりやすく,楽しく伝えること,それが大事なのだ。だからこそ,池山氏には,そんなことに個性を見出すのではなく,ただ,今までの自分の経験を踏まえ,しっかりとした文章で,楽しく,興味深いコラムを書いてほしい,私はそう思うのだ。解説者は,よく頑張ったプロ野球選手の再就職先・・・という軽い気持ちでいてほしくない。だからこそ,さっきの文章は,

「“セーブ”とは救うという意味だが,本当に救われたのは,河原本人であると思う。・・・(中略)今のところ,原監督は,ストッパーを代えるつもりはないのであろう。」

そう書いてほしい。こう書き換えることによって,乱暴に思える原監督に対する文章も,丁寧にやわらかくなると思う。
この私の意見には,十人十色,いろいろな反響があるだろう。だが,私はそう願うのだ。文章の内容,書き方というのは,一番その人の「人となり」が出ると思う。私はそう考えてやまないからだ。特に,メディアに出る場合である。みなさんは経験はありませんか。文章の例ではないけれど,ニュースを読むようなキャスターがたまたまのフリートークで「出られる」を「出れる」とか言っているのを聞いたことはありませんか?われわれが友達と話すときは構わない。しかし,テレビに出ている人が,しかも,バラエティーではない,ニュース番組で,こういった言葉を使うのを耳にすると「バカじゃないか,この人。もっと勉強しろ」と思いませんか。たかが文章。されど文章。たかが日本語。されど日本語。見ている人は見ていますよ!
池山氏には,今までの輝かしい経歴があるからこそ,こういった小さなところをしっかりとしていく必要があるのではないか,私は切にそう思うのだ。

4/4
――特別寄稿・今年のドラゴンズは強い!――
開幕して,1週間が過ぎた。各チームキャンプ・オープン戦の成果が出て,成功したチームもあれば,誤算続きのチームもある。ヤクルトなどはその典型で,早くも主軸岩村,藤井の離脱,古田は骨折を押して出場と,けが人が耐えない。そんな中,セリーグでは中日の快進撃が目を引く。開幕カード,敵地東京ドームでの巨人戦。松井が抜け,清原不在といっても,昨年日本一の厚い層を誇る強敵。ものすごい重圧であっただろう。しかし,開幕戦は川上の踏ん張りから,打線が7回にとうとう宿敵上原を捕らえ,一挙5点。これで中日は波に乗ることができた。2戦目は大敗したが,3戦目はルーキー木佐貫を粉砕。続くヤクルト戦も勝ち越して,昨日の横浜戦も1戦目を取って3連勝中だ。この中で注目は,もちろん福留の大爆発もそうなのだが,ここではあえて私が今年のキーマンにあげた,外国人二人,アレックスとクルーズの頑張りをあげたい。クルーズは3割をキープ。アレックスにいたっては4割以上の打率を誇り,ホームランもすでに2本はなっている。この二人の頑張りが1番福留を機能させ,彼をチャンスメーカーとさせているのであろう。投手陣は悪い。だが20年目の大ベテラン山本昌がヤクルト相手に7回を1失点に抑え,その試合は延長12回福留の自身初のサヨナラアーチを放ち,2−1で幕を閉じたという最高の試合で,悪い流れが変わったように感じられた。すると,おとといの川上,昨日の朝倉と早くも投手陣にも回復の兆しが見えてきている。中継ぎでは,久本が残念であったが,オープン戦不調で2軍スタートとなった遠藤が昇格し,即結果を出した。下には,大塚もいる。ギャラードとともに抑えを任せられるところで,いづれにしても,岩瀬,落合といったエースたちを少しでも休ませられるような厚さになったことは間違いない。今年の中日は強い。これで,立浪が調子を上げてくれば,ものすごい打線になる(立浪自身も「俺がもっと打てばすごいことになるよ」と言っている)。巨人は確かに強力だ。だが,去年と比べて多少なりともスキがあるのは否めない。中日が付け入るスキは十分にある。これで,4月を少しでも貯金して乗り切ってくれれば,面白いことになってくる。今年の中日からは目が離せない。

back
SEO対策 ショッピングカート レンタルサーバー /テキスト広告 アクセス解析 無料ホームページ 掲示板 ブログ