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――やってきましたプロ野球元旦!――
というわけで,久しぶりの更新となります。ここの所あんまり面白い話題がなかったので,思い切ってキャンプ直前まで待ちました。
さて,今年もこのときがやってきた。プロ野球12球団一斉キャンプイン。オフに補強をし,選手たちはいち早く自主トレを開始し,とにかくそれぞれのチームが自信を持って入れるのがこのキャンプ。それぞれのチームをピックアップしてみようと思う。
中日(沖縄・北谷)。例年にないくらいの順調な仕上がりを見せている中日の選手たち。特に今年二千本安打がかかっている立浪が好調で,選手を引っ張っている。大きく注目される補強のようなものはないが,投手陣の補強はバルデス,野手陣ではクルーズと日本をよく知っている選手を補強した。これで4番候補のミラーが来日すれば問題ないが,ここに来てミラーが実は中日入りを拒否しているという情報が入った。ということで,まず4番は当面はクルーズでの調整となるであろう。ただ,山本昌は自身のホームページで「けががあったのだから仕方ないものの,なぜ首にしたのか不思議だったくらいのバッター」という評価をしている。去年は3Aで30発100打点を上げている。このキャンプの調整が左右するであろう。さて,投手は磐石。先発は川上,朝倉,野口,バルデス,山本昌,紀藤,山井,小笠原とそろっている。中継ぎも落合,岩瀬,遠藤,山北,正津の復活,そして新加入の平井,抑えはギャラード。とにかく投手はいる。これに一応順調な川崎や,去年の大けがから回復しつつある中里が加わってくれるとうれしいところだ。この二人に関しては私もこのキャンプの最大の関心事だ。野手は,上記の外人以外は変わっていない。上位3人(井端,荒木,福留)は磐石。あとは立浪が6番,谷繁が7番を打てれば最高なのだが・・・つまりは4,5番を作れるかということです。
<注目選手>桜井
管理人一押しのバッター。高卒新人ながらも自主トレで柵越えを連発。ナゴヤドームを「思ったよりも広くない」とは,もう感動!いつ1軍に上がってくるのか,キャンプが楽しみ。

阪神(沖縄・宜野座→高知・安芸)。とにかく「血の入れ替え」大成功の観があったこのオフ。FAで金本をいち早く獲得,そして,左腕不足の解消のためトレードでダイエーから佐久本,日本ハムから下柳を獲得。そして,去年のウイークポイント捕手をこれまた日本ハムから野口を獲る。新外国人,ウィリアムズ,ポートはともにリリーフを任せられ,バルデスの抜けた穴は埋まりそう。そして驚きのレンジャーズ伊良部獲得。去年ももともと悪くなかったため,ものすごい補強となったのは間違いない。星野監督は,99年中日優勝のときも春のキャンプで何か予感があったらしく,今回も,そのような感じがしているという。おりしも,総帥久万の優勝確率80%発言で大阪のメディアは色めき立っている。今の時点でマイナスはないであろう。
<注目選手>赤星
激しい外野手戦争に参戦。足は速いが,いまいち出塁率が物足りない。打力を磨けば,桧山を一塁に蹴落とせる。

巨人(宮崎)。これといった補強をしなかったことが何よりの注目。もちろん,世の中の記事では,「注目新人が入って・・・」といったことをいっているが,新人はやってみないと分からない面があり,巨人がそれに頼っているというのは面白い。木佐貫,久保といった若手のイキのよさにかけているようでは,微妙ではないか。さて,まず,上原,高橋尚は,磐石だが,それに続くのは誰か?入来は去年の故障の影響でやってみないとわからない。あとは,桑田,工藤。このベテランは,ここぞでは力を出すだろうが長丁場はもういい加減無理であろう。桑田は去年のようにはいかないと思う。新外国人もいまいちぱっとしない。そして,なんと言っても打撃。清水がここにきて意外に重い腰痛が発覚。キャンプは出遅れであろう。そして,松井のあとに4番に座る清原は,はっきり言って微妙以下。原監督の「120試合でいいから」発言に出さえ表情を曇らせるほどに足の調子が悪い。今この時点で60〜70%というのは開幕に間に合わせてもすぐに爆発してしまうのではないかという危惧がある。しかし,面白いのは,清原はシアトルのケビン山崎というトレーニングコーチの元であのヒクソン・グレイシーのような身体を作り上げた。そのときに徹底した食事制限をし,鳥のささみと卵の白身しか摂取しなかったという。ところが今になってそれが栄養不足を露呈してきているというのだ。よって,今の専属のトレーニングコートは,もう少し食事を取らせるといった発言をしている。はっきりいえば,パワーを求めるあまりに体のバランスを自ら崩してしまっているのだ。原監督は,二代目若大将高橋由も4番はありえるという発言をしている。本当に何年かぶりに巨人は軸が決まらないままのキャンプインとなった。松井は偉大だったというべきであろう。原監督の手腕に注目だ。また私を驚かせる何かをしてくるかもしれない。
<注目選手>清原,オルガ夫人
まずは清原。このキャンプの調整で清原の選手生命自体が決まるといってもいい。後オルガ夫人。しゃれでもなんでもなく,この人がペタジーニの命運を担っている。ペタジーニがコケれば今年の巨人はきつい。

ヤクルト(沖縄)。注目は,ペタジーニがいなくなった打線を若松監督はどう考えるか。新外国人ベッツはホームランはないものの中距離打者としての確実性がある。しかし神宮球場は狭いのでそこそこのパワーならば持っていくことができるのではないか。バットコントロールで勝負の感があり日本の野球に向いているかも。新人の高井は石井一久以来の高卒新人キャンプ一軍帯同だ。ブルペンでへらへら笑っていたのを間接的に伊東コーチに叱責されたりはしたが,それでも誰もが認めるボールをびゅんびゅん投げていたのは事実。ここは,ピッチャーの不足が否めないので古田とのコミュニケーションでキャンプでの飛躍を期待するところだ。
<注目選手>高井
これといって注目選手がいないので,この新人をあげた。一日目はがちがちに緊張していたが果たして大物振りを発揮するか?

横浜(沖縄)。特別目立った動きはないが,斎藤隆が残留を決めたことは一件落着であったろう。その斎藤は先発にまわるという調整をしていくことになり,抑えは新外国人に任せることになる。しかし,柱である三浦のめどがまだ立っておらず,本人は4月半ばの巨人戦復帰という青写真を描いているようであるが,急いで調整して,またおかしくしたらということで,山下監督はスローペースでいけという指令を出している。とにかく,このエースがいなければどうにもならないので,三浦のこれからの動向に注目であろう。
<注目選手>三浦,山下監督
この人の復活なしでは考えられない。上記に記したとおりです。あとは森監督とはイメージが180度違う山下監督。しかしこの人も知性派だ。

広島(沖縄)。ここは,新井が丸刈りにしてキャンプインしたことが最大の注目。もともと金本の舎弟で,FAのときも必死に引止めをしていた男。今は去年28本塁打をひっさげて今年の新4番を目指してのキャンプインということになろう。新人の永川は何かスローペース。抑えを任せる構想ではあるが果たしてどうのだろうか。それよりも2月2日の古葉氏の選挙結果が気になる。
<注目選手>新井,前田
新井は上記した通り。問題は山本監督が4番候補筆頭に上げている前田。本人の答えは「無理」。しかしいつもこの人は素直じゃない。侍なんでしょう。

次はパリーグです。

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――古葉元広島監督の広島市政は?――
今,にわかに広島市が熱い。といってもプロ野球の話ではない・・・いやなんとなく・・・う〜ん,大きく絡んでいるのか?それは,広島カープ黄金時代を築き上げた古葉竹識元広島監督が今度の広島市長選挙に堂々と立候補を表明したからだ。そして,元プロ野球監督がどのような公約を掲げるのかを注目していたが,これがなかなか面白い。なるほどと思わせるものであった。古葉氏は今現在老朽化の激しい広島市民球場から開閉式のドーム球場建設を公約に掲げた。一見すると,ただのプロ野球人としての案であるが,その後が面白い。古葉氏は「米国を含め,いろいろな球場を見てきたが,家族で安心して野球を見に行ける開閉式のドーム球場が一番いいと感じた。野球だけでなくコンサートや格闘技の試合などを招致して,街を活性化していきたい」と話した。これを聞いてなかなかうまいなと思った。というのは,こういったプロ野球以外のエンタテインメントを招致することで,観光客を増やし,彼らが落としていった金が町を活性化させる。その広がりは,たとえば,街の居酒屋からホテル,レストラン,ショッピングセンターなどにも拡張されるであろう。そして,最後には「市の職員も議会も市長が互いに話し合って市民のためにひとつにまとまって頑張っていけることが大事」と言い方としては平凡だが,それでも,あのどん底の広島カープをまとめあげて黄金期を作り出した手腕からすればなかなか説得力がある。この姿勢は,個性の集団プロ野球チームをまとめるためには必要で,それを市政に持っていくことは難しいが,そこは手腕の見せ所であろう。だが,やはり,これだけでは市政を全うすることはできない。問題は,その政治手腕なのだが・・・今までも,こういった有名人が政治の世界に入って成功を収めたためしがない。たとえば,東京の青島都知事,大阪の横山知事。今で言えば長野の田中知事。みんな「正しい」ことを言っているのは確かなのだが,それではそのあとにどうすればいいのか,どういった戦略をとればいいのか,いわゆる具体案を述べていない。田中知事のダム建設差し止めもそうで,実際に建設が中止になったことで,その代替案が出ていないのが現状だ。「さて,どうする」で止まってしまうのは一番たちが悪い。というわけで,政治には素人の古葉氏がもし当選した場合にどうやって市政を立てていくのかが不安ではある。だが,対抗の太田氏が年功序列などの見直し,秋葉氏は公共事業決定プロセスの透明化などと,なんだか,一般市民には難しく,どうでもいいようなことを公約に述べているので,話題性を買って,古葉氏にはがんばってもらいたいような気がする。「もう一度胴上げを!」という選挙戦がいよいよスタートした。なお,告示は1月19日,投票日は2月2日である。

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――パリーグにプレーオフ制度導入!――
出ました!パリーグ改革具体案が。観客減に対しいよいよパリーグも本格的に動き出したという感じだ。さて,このプレーオフ案というのを簡単に説明すると,2位と3位チームが始めに3試合を行い,それに勝ったチームがリーグ優勝を果たしたチームと5試合をやって最終的な日本シリーズ出場権を得るというものだ。つまり,Aクラスに入りさえすれば,優勝チームから何ゲームはなされていても最終的に日本シリーズに出場できる可能性があるということである。だが,これはあくまでも球団上層部の意見であり,現場からはどういった意見が出るのか注目されたが,近鉄梨田監督の「もし優勝チームから2位までのゲーム差が10ゲーム以上ならばリーグ優勝の意味がない。そのためには,2位3位対戦のときの持ちゲーム(興行権)はすべて2位チームにして,1位対2位か3位のゲームはあくまでも1位のチームが持ちゲームにするというハンデを与えればいい」という意見が出たくらいであとは,西武伊原監督の「まあ,結局それほど大逆転が起こるわけはないと思うよ」という余裕の弁に代表されるようにそれほど反対説が起こるような雰囲気はない。実際私もこの案には賛成である。たとえば去年の場合。千葉ロッテは開幕から11連敗を喫し,4月の時点では,もう今年は終わったかのような感じであった。ところが後半に巻き返し,最終的には貯金はできなかったものの,3位ダイエーに6ゲームの4位というところまでつめることができた。これで,もしAクラス入りがプレーオフ進出の権利となるともっと伸びたかもしれない。去年のように西武だけが15ゲームも2位に差をつけてぶっちぎりだったような興ざめシーズンにはもってこいであろう。何とかぎりぎりで3位入賞のチームがまさかの日本シリーズ出場となればこれは盛り上がると思う。実際,去年のメジャーリーグワールドシリーズはワイルドカード(リーグの最高勝率2位)で出場したエンゼルスとジャイアンツの戦いであった。まあ,「ワールド」シリーズならぬ,「ワイルド」シリーズなどと揶揄されたりもしたが,それは何でも文句を言いたがる人によるもの。私は去年のワールドシリーズの劇的な試合を見て「これぞメジャー」を肌で感じることができた。何も恥じるような試合ではなかった。去年で言えば,3位ダイエーが15ゲーム以上差をつけられた西武を逆転し,最終的に鉄壁の巨人をも破ってしまった・・・これはなかなか見ものである。3位であきらめていたところから,一気に1位を破り,その勢いをそのまま日本シリーズに持っていくことができるから,こんなことも十分にありえる話である。とにかく,公式戦終了から日本シリーズまでだらだらと間が空くプロ野球の中でこの案は特筆していいと思う。さあ,来年からはBクラスのチームも最後まで投げたゲームはできませんよ!

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――結局出された山崎武――
なんとも,ドラゴンズは変わっていくなぁ・・・と思わせるトレードだ。以前,このコーナーでも述べたが,ドラゴンズの山崎武が平井正史投手との交換でとうとうオリックスに行くことが決定した。山崎は入団会見で「ドラゴンズに失敗したと思わせるようにがんばる」といい,中日スポーツのインタビューでは,「行きたいわけではない。だから皆さんにはドラゴンズが嫌いになって出て行くのではないということをわかってほしい」といい,いかに,首脳陣との確執の溝が深かったかを思わせるトレードであった。だが,ここで私は思うのだが,このトレードは案外両者にとって成功だったのではないかという感じがするのだ。まず,山崎について。もし,このままドラゴンズに残っても,確執のある首脳陣,まあはっきり言えば山田監督との溝が埋まるような雰囲気はない。それに,今年ドラゴンズは,将来有望なスラッガーをドラフトで補強したし,一塁はクルーズを取った。ここで不満の塊の山崎を無理に使わなくとも・・・と思っているであろう。去年も,山崎なしでも十分であった。それよりも確実にチーム力はアップしているのだ。そしてオリックスは完全なる打線欠乏症。去年はダントツの最下位で,言っては悪いが阪神では「ゴネの塩谷」といわれ,野村監督との確執でわがままをいいオリックスに移ってきた塩谷を4番にすえざるを得ないなど,ひどい状況であった。山崎がいれば,間違いなく4番は埋まる。まだまだ元気だ。さて,一方の平井投手。こちらは仰木監督時代の95年に優勝に貢献する成績を収めたがそのあとは不振。けがもあって去年はまったく登板がない状態であった。ところが,自分を当時育ててくれた山田久志が今はドラゴンズの監督。この縁での移籍だが山田監督は「もう一度再生させる」と気合が入っている。平井も意気に感じているし,去年後半に145km以上を計測し,肩も大丈夫だ。もし,平井が働けば,落合の2番手としての中継ぎ強化になるし,もしくは抑えも任せられるかもしれない。中日一筋20年の山本昌広投手は,自身のホームページで変わりゆくドラゴンズを寂しく思い,しかしそれも仕方ないことだと述べているが,私もまったく同じ気持ちである。チームが変わりゆく時はこういった寂しさも必要なのかもしれない。

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−すごいぜ,松井!−
さて,今回は今年よりアメリカメジャーリーグに挑戦する,松井秀喜選手について述べてみたいと思う。彼はヤンキースと,3年2100万ドル(25億2000万円)という好待遇での契約を結び,その期待の大きさをうかがわせる。入団記者会見には300人以上の日米の記者が集まり,超豪華ホテルでおこなわれた。ただ私が注目したいのは,その入団会見にトーレ監督,新たにヤンキースと契約を結んだクレメンス投手が同席したということだ。まず,トーレ監督は,今冬のバカンスでハワイに滞在していた。それをわざわざ松井の入団会見のために一時中断してニューヨークに戻ってきた。これは当然期待の現れであろう。一方のクレメンスは,今年40歳になるサイ・ヤング賞(日本の沢村賞)6度の超豪腕投手。通算300勝まであと7と迫っている日米問わず有名な投手だ。もちろん松井の入団発表の日にたまたまヤンキースと再契約をしたとはいえ,ともに入団発表に同席をする必要はない。ましてやアメリカを代表する投手なのだ。だが,クレメンスは,リップサービスもあったろうが,松井には好印象を抱き,今度のスプリングキャンプでは,いろいろと話をしたいといった。松井の性格,人柄もあるだろうが,これだけの投手にここまで言わせるのはやはり大物の証であるといっていいだろう。
さて,入団会見以外でも松井はメディアに引っ張りだこであった。その中でも私が特に注目をしたのが,アメリカでもっとも有名な深夜トーク番組LATESHOWに松井が出演したことであった。この番組は地元ニューヨークで深夜23:30から1時間放映されていて,司会のDavid LettermanはもともとNBCでトークショウをやっていていまのCBSに移ってきた。両方をあわせると今年で20年のキャリアを持つ大ベテランだ。しかも,アメリカでNo.1の人気を誇る。日本でもおなじみの映画俳優や,政治家など著名人も出演するような番組なのだ。つまり,このトークショウに出演できるというのはある意味で一流の証明であり,名誉なことなのだ。日本でいえば歌手が紅白歌合戦に出るようなものといっていい。
とにかく,それだけニューヨークのメディアは松井に注目しているし,その中で期待も抱いている。だが,ニューヨークのメディアは日本の関西なんか問題にならないほどうるさく,冷たい。よって,もし松井があまり芳しくない成績ならば一転してぼこぼこにたたき始めるであろう。だが,松井はそこそこの活躍はすると思う。というのは,確かにオールスターに選ばれるような投手は日本よりもレベルが上だが,速球の威力以外はほとんどが日本レベルといっていいであろう。制球力に関していうならば,日本のほうが断然に上といっていい。ただ,アメリカの場合,外角のボールにやたら厳しい面がある。その一方内側は日本ならばとるようなものもボールになる。この辺の見極めと,153kmくらいの剛速球が高めにきたときにそのスピードについていくことが重要な課題となるであろう。あとはメディアの攻撃に踊らされないことか・・・?
何はともあれ,自分を変に飾ったりしない,まさに「いいやつ」の松井にはがんばってもらいたいと思っている。

1/10
--星野監督トレードの妙--
去年のオフも阪神が主役であった。FA金本をいち早く獲得。米国帰りの伊良部も獲得。中村紀,ペタジーニ獲得は失敗だったものの,そこに参戦したというだけでも意義があった。だが,そんな派手な補強の中で私が注目するのは思わず「うまい」と唸ってしまう日本ハムとのトレードである。阪神坪井,山田,伊達対日本ハム野口,下柳,中村豊の大型トレードである。坪井は,一時星野は出さないといっていた。しかし,金本の加入で外野手は4人(金本,桧山,赤星,浜中)までが坪井の上にいる。しかもそのうち赤星や浜中といった伸び盛りが加わっているのだ。去年をけがで棒に振ってしまい,アピールしきれなかった坪井にはほとんど勝ち目はないといっていい。そんななかのトレード。日本ハムは安定した打率を残せる外野手一番バッターを欲しており,坪井はうってつけであった。若手伸び盛りの伊達のトレードは少しの出血を伴ったが,左の安定した中継ぎがほしかったため,実績十分の下柳を獲得するほうが阪神にとってはよかった。さらに,なんと言っても野口であろう。ヤクルト時代に名将野村監督の元でID野球を注入されたものの古田の絶対的な存在のため出番はなかった。だが,自らが望んだトレードで日本ハムにいきそのパンチ力のある打撃とともに開花。しかし,ここ2年は故障もあっていまいち出番が減っていた。去年阪神はキャッチャー矢野に続く選手がいないことが最大の弱みであったといえる。浅井,中谷は経験不足。吉本,山田,カツノリはぱっとせず。そんな中,野村監督のノウハウを持って,パリーグでも実績十分の野口の加入は大きい。野村監督はプロ野球界で一番キャッチャーを育てるのがうまいといえる。ヤクルト時代の古田,野口。阪神時代の矢野。その代表する選手の2人をとってしまったのだ。もし矢野がけがをしても野口がいる。阪神は最低3年キャッチャーに困らない。その間に達川コーチが若手を育てていけばいい。中村豊の加入も大きい。打撃には多少の不安は残るも,守備,肩は一級品。広い甲子園球場では存分の力が発揮されるであろう。浜中など守備に不安のある選手に代わったり,夏場にはベテランを休ませて出てくることも多くなるのではないか。実は私は,今年の阪神の補強はこのトレードのみで十分成功したと思っているのだ。左中継ぎ投手,2番手の実績あるキャッチャー,試合後半を任せられる外野手といったこれらの補強は,FA金本や伊良部よりも数倍上をいくものと思う。しかも星野監督らしく,去っていく3人の選手たちの配慮もあった。坪井はすでに述べたが,山田も日本ハムではレギュラーとしての役割を与えられるであろう。なんと言っても田口を出し,野口もいない。実松は伸び盛りであるがまだまだ実績には乏しい。ベテランキャッチャーへの期待は大きい。伊達は若く実績もある。もしかすると先発に回る可能性だってある。とにかく,トレードが少なくなった昨今でも星野はトレード推進者である。だが,ただ闇雲に出すのではなくチームにくるもの,去るもの立場をしっかりと認識してトレードを敢行する手腕は見事としか言いようがない。まだまだ時間はある。もしかするともう少しトレードがあるかもしれない。星野阪神からは今年も目が離せない。


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