3/27
---いよいよ開幕!大予想!(パリーグ編)---
というわけで,とうとう明日・・・日本時間では当日となった開幕。ぎりぎりでパリーグの予想を発表させていただきたいと思う。
1.西武ライオンズ
2.福岡ダイエーホークス
3.日本ハムファイターズ
4.大阪近鉄バファローズ
5.千葉ロッテマリーンズ
6.オリックスブルーウェーブ
と予想する。正直迷った。西武,ダイエーの優勝争いは微妙。日本ハム,近鉄,ロッテも微妙。この3チームも十分上位に食い込む隙はある。オリックスが少し落ちるかもしれない。

1位――西武ライオンズ
キャンプ,オープン戦と何かしっくり来ていなかったこのチーム。伊原監督と選手間の不和がかなり露呈された結果のようであるが,それでもやはり底力はこのチームが一番である。投手陣で言えば,松坂の復調が何より。去年は6勝しかできなかった大型右腕も,今年はその3倍はいけそうな予感がする。一方では,毎年頑張っているのに結局今年も開幕投手になれなかった西口も,そこそこは来るであろう。ところでこの人のFA取得はいつなのだろうか・・・打線は,故郷の政情不安から大幅に調整が遅れていたカブレラが,ここに来て,腰が痛み,背中の張りなどを訴え,練習を早退。しかし,その背景には伊原監督との不和があるという。しかしオープン戦不調だった和田が,ここにきて調子を上げ,松井も十分,そして,中島という若いバッターが出てきた。高木大成も今年はいいようだし,やはり,去年の実績からいってもここの優勝確率が高いと思う。
<キーマン>
投手・・・西口
しかし,なんだかかわいそうな影のエース。制球力は抜群。速球もそこそこで必ず二桁を勝てる男。闘志が内に秘めているぶん目立たないかもしれないが,この人がいなければ,西武は終わりだろう。
野手・・・カブレラ
何か不穏な雰囲気だ。去年の日本シリーズでの采配批判,金森打撃コーチの解任批判,メジャー挑戦宣言,そして,最近練習早退・・・伊原監督も頭が痛いところであるが,この人がいなくては打線に核ができない。

2位―――福岡ダイエーホークス
このチームはしかし,ドラフトではここ数年かならずぶっちぎりの優勝を飾っているであろう。去年も,新垣,和田といった大学のスターたちをことごとく手に入れた。この二人はけがにさえ注意すれば,確実に働くと思う。一昨年の杉内,寺原も,その前の山田も,とにかくいずれにしても,ようやく育ってきている感がある。開幕投手は,8年目の栄光斉藤で,他にも田之上や吉武など,その黄金ルーキーたち以外にも結構層は厚い。打線は小久保が今期前半戦絶望ながらも,松中が代わりの4番を務め,城島も元気だ。というわけで,はっきり言って,微妙の2位予想である。西武のほうが一枚上手ではあるが,ダイエーにも十分優勝の可能性があるといっていいであろう。
<キーマン>
投手・・・寺原
はまれば一気に勝つような気がする。オープン戦はいまいちの感じであったが,力はそんなものではないであろう。この人が二桁勝てば,西武をひっくり返す。
野手・・・松中
選ぶのに迷ったが,あえて,代役の4番をあげる。特に死角もないし,十分その役を果たすと思う。

3位―――日本ハムファイターズ
ヒルマン監督の選手操縦術は見事なものがあったと思う。このキャンプ,オープン戦で十分それは発揮された。岩本が復活できなかったのが気がかりではあるが,ミラバル,金村,シールバックに開幕に間に合った正田,そして新加入の伊達が入り,去年よりも力はアップしている。打線は,小笠原頼みになるだろうが,なんといっても,こちらも新加入の坪井の存在が大きい。この人はけががなければ,3割を残すので,新しい核弾頭になってくれるであろう。全員が一丸になって・・・という言葉がぴったりのチーム。ヒルマン監督の手腕にすべてがかかる。
<キーマン>
投手・・・岩本
やはりこの人なんだよなぁ・・・中継ぎ降格で何とか1軍に残ったが,そんな力じゃないと思う。とにかく岩本が先発に加われば,もっと上位を目指せるほどの力はある。
野手・・・坪井
期待は大きい。独特の打法を野村監督に嫌われたが,確実に3割を残すバッターだ。怖いのはけがだけ。核弾頭として,チャンスを作りたい。

4位―――近鉄バファローズ
打線は元気。健在の中村,ローズに磯部,吉岡らがあとをつなぐ。問題は投手。なぜ,4位に予想したかがここにある。とにかく,何もやっていないような気がする。たとえば,前川。やはりオープン戦もぼろぼろで,期待の大きさに何もこたえていない。そのほかにも際立って出てきた投手がいない。一昨年のFA加藤はめどが立たず。大塚には最終的に逃げられてしまった。抑えとしては,新進気鋭の松本かベテラン赤堀が上がっているが,果たして・・・いずれにしても盤石なのは,パウエル,岩隈,ちょっと不安だが高村といったところだ。この3人にかかる負担は大きい。
<キーマン>
投手・・・前川
大柄でいかつい顔の投手だが,意外にも,ボールのスピードは遅い。どっこいと投げて,出るのが140km前後ではよほどの制球力がないとやられてしまうでああろう。しかし,期待は大きくシーズン中にうまく調整してくるか?
野手・・・磯部
ローズ,中村のあとを受けて,きれいにベースを掃除する重要な5番バッター。去年はこの人がぼろぼろだったのが上位進出を阻まれた大きな原因である。優勝したときのように90打点を挙げるようだと,近鉄は怖い。

5位―――千葉ロッテマリーンズ
近鉄とはまったく逆なのがこのチーム。投手は盤石。ミンチー,清水,加藤,そして,今年は故障から復帰の小野がいる。黒木の出遅れが残念であるが,この4人は信頼できる。そして,高木も,5番手を期待され,一方では,川井,小林宏,藤田の中継ぎ,小林雅の抑えもいける。だが,打線があまりにも貧弱。打線のパリーグというくらいの中で,ローズの帰国は痛いし,福浦とサブローもここに来て出遅れている。そして,やはり初芝,堀には衰えが見える。新外国人フェルナンデスが果たしてどこまでやってくれるかが鍵だろう。山本監督にとっては集大成。今年だめならばやめるであろう。しかし,なかなかうまくいかないキャンプ,オープン戦であった。盤石の投手陣がどこまで粘れるか,そして巻き返しはなるか?
<キーマン>
投手・・・小野
山本監督にとってサンデー晋吾の復活は心待ちにしていたに違いない。去年あんな状態でも5勝している実力を今年は爆発させるか?
野手・・・初芝,堀
ベテラン勢の活躍がこのチームには必要。数字を求められるとつらいかもしれないが,たとえば阪神の八木や広沢のような存在感のあるベテランがいればそれだけでチームが活性化するであろう。

6位―――オリックスブルーウェーブ
非常につらい戦いになるであろう。石毛監督は毎日頭が痛い。まず,チームが大型補強だと思っている選手たちが総崩れの感がある。総額3億を超える外国人助っ人,シェルドン,オーティズ,ブラウンは,大型扇風機としてオープン戦はまったく打てずじまい。投手も,本拠地開幕投手に去年から任命されていたマック鈴木が,メジャー投手の弱さ(クイックができない,コントロールが悪いなど)をまさに露呈してまったく結果を出せずまさかの2軍スタート。何とかなりそうなのは,吉井くらいか。谷に関しては,問題ないとは思うが,持病の腰痛が発症しないことを祈るばかり。しかしそれでも,投手力はある。金田の出遅れは痛いが,具,ユウキ,小倉,戸叶,川越,若手の相木など意外とそろっている。とにかく,何とか6月を乗り切っていけば,チャンスはある。今年から神戸グリーンスタジアムが,「Yahoo!BBスタジアム」改称され,客席も,メジャーリーグのように内野に金網のない席を設けた。より臨場感のある,まさに「ボールパーク」。この試みはこれからの日本の野球を考える上ですごく重要。だからこそ,選手が楽しく,アグレッシブなプレーを見せないといけない。
投手・・・金田
ひょろっとして,なんだかとぼけた感じの投手だが,投球もそんな感じ。近鉄ローズキラーとして,去年は最優秀防御率を獲得。普通にやれば10勝はいけるだけに早く復活することを願うばかり。
野手・・・山崎
中日から移籍。オープン戦では相変わらずの荒さが目立ったが,この人はとにかく乗せることが大事。そうなれば,30本100打点はいけるであろう。

3/23
――いよいよ開幕!大予想!(セリーグ編)――
オープン戦も終わり,開幕までいよいよ1週間をきりました。これまでのキャンプ,オープン戦を見ての今年のプロ野球ペナントレースを大予想してみようと思います。
まず単刀直入に順位を書きます。
1.中日ドラゴンズ
2.読売ジャイアンツ
3.阪神タイガース
4.ヤクルトスワローズ
5.広島東洋カープ
6.横浜ベイスターズ
という風になりました。それぞれについての分析,説明をしていこうと思います。

1位―――中日ドラゴンズ
万年2位,3位という強いのだが優勝はできないというチーム。しかし今年は来たなという感じの要素がたくさんある。まず,もともと実力がある投手陣がさらに整備されたことが挙げられる。先発は,川上,野口,バルデス,朝倉,山本昌でぴたりとはまる。中継ぎは,岩瀬,落合,紀藤,遠藤,山北に加えて,2年目の久本,新戦力の平井,大塚らが入る。しかも,これ以外にも,小笠原や山井,正津らが控えている。紀藤,平井,小笠原,山井は先発もできるので,先発陣の体調によっては彼らがまわる可能性もある。これらは右左が均等になっていて,とにかく抑えのギャラードを含めて投手力は群を抜いているであろう。さて,今年の最大の売りは打線。オープン戦で見せたチーム打率3割を超える切れ目のない打線が完成しつつある。1番の福留,8番の荒木は,アレックス,クルーズという外国人が何とかやれそうという判断の元に組まれた攻撃的なオーダーである。打順的にも,左,右というジグザグ打線が組め,もし助っ人たちがオープン戦と同じような活躍をすればかなりの得点力が見込まれる。対抗の巨人が少しながらも隙を見せている今年,中日がトップに立つ可能性はかなり高い。
<キーマン>
野手・・・アレックス,クルーズ
やはり,新助っ人の肩にかかる比重は大きい。この二人のうち,一人でも爆発すれば,優勝はおのずと見えてくる。
投手・・・野口
朝倉をあげようか迷ったが,やはり野口の復活をあげる。この人はけがさえしなければ心配はまったくないのだ。今年はオープン戦でもそこそこの投球をしている。開幕2戦目が有力だが,いいスタートを切りたい。

2位――読売ジャイアンツ
キャンプ,オープン戦を見ていて,松井の去った穴は深刻だなと感じた。しかし,それでもやはり戦力の層は抜群。優勝争いに絡んでくるであろう。さて,分析をするならば,一番原監督が気にしているのは4番を任せようとしている清原のけがの動向であろう。結局開幕には間に合わず,4番は高橋由で行くことが決まった。清原自身はここに来て教育リーグ出場を直訴するなど積極的であったが,やはり首脳陣は無理をさせなかった。だが,もしかすると,今の巨人の戦力を考えれば,清原抜きでもオールスター前までにいい位置にいることは間違いない。ということは,下手に急いで仕上げるよりも,じっくり直してもらい,7月くらいに戻ってきてくれたほうが一気に士気も上がりいいのではないか。ペタジーニは守備の不安を露呈しているが,打力は好調。しかし松井と比べると・・・という強みを他球団の投手が思えば,なかなか苦しくなってくるであろう。投手のほうは,盤石なのは,上原,高橋尚,桑田のみ。工藤は毎年のことで,ぎりぎりに仕上げてきているが,果たして・・・2戦目の中日戦で真価が問われるであろう。真田,新人の木佐貫,久保は実力はあるのだが,未知数。特に真田は,去年6勝したものの,速球の威力は変わらず,他球団の研究により,裸にされている可能性が高い。だが,やはり戦力の層が厚いのは事実。あとは他球団がどう攻めてくるのかが見ものであろう。
<キーマン>
野手・・・清原
今年の巨人はこの人に左右させられるのではないか。いれば戦力はアップ。いなければ,大幅にダウン。しかし当人のけがは先行きまったくわからず。
投手・・・桑田,工藤
ベテランの力でどこまでチームを押し上げられるのだろうか。他が,上原以外不安定なので,この二人にかかる期待は大きい。

3位――阪神タイガース
難しい判断だった。ただ,直前になって古田が骨折をしたという情報が入ったので,Aクラスにした。24人もの選手を入れ替えて,完全に近い形で生まれ変わったかに見えるタイガース。星野監督の鼻息は荒い。投手陣は,井川,藪,ムーア,川尻に,新戦力の伊良部,下柳が入る。新外国人の調子もいい。野手では,矢野に続く捕手野口が加入。外野も,金本加入による浜中,赤星の競争などで,桧山が一塁の練習をするほどにまでなった。一見するとものすごくなったようであるが,名前ほど,実力が伸びているとは言いがたい。マスコミに押される形での浜中4番起用には疑問が残るし,ショートは一応藤本が獲ったといっているが,守備,打力の不安はぬぐえない。投手も“メジャー帰り”の伊良部は果たしてどこまで勝てるのか。簡単にセリーグのバッターを抑えてしまうのか。ムーアは手術の影響でオープン戦は調子が上がらなかった。盤石なのは,井川,藪。特に藪は今年にかける意気込みが違う。大ブレークの可能性がある。いい勝負をするとは思うが,夏場に疲れが来たときの控えの選手層が少ない。最終的に耐え切れず,去年くらいの成績になってしまうような気がする。
<キーマン>
野手・・・檜山
やっぱりこの人が阪神を支えている。今年は押し出される形で一塁も守るというが,なぜ檜山が,浜中と赤星レベルに押し出されたのかわからない・・・
投手・・・藪
はっきりいえば頑張ってほしいなぁ・・・という願望も込めて。この人ほど燃えている男はいないであろう。オープン戦最後は少し調子を落としたが,腰の調子がよければ,2ケタは確実に勝てる。

4位――ヤクルトスワローズ
古田の骨折は痛い。この人がいれば,Aクラスは確実である。全体的に,まとまったチームである。ペタジーニが抜けたことで多少の戦力ダウンは仕方がないが,新戦力の西武からのトレードできた鈴木,新外国人ベッツなどが,ある程度埋めるであろう。とにかく強みは神宮球場は広くないということ。鈴木が復活すれば,本塁打20本は考えられる。投手は,藤井が不安のままというのが気になるが,石川,ホッジスは健在。あとは,有力新人の高井をどこで1軍にもってくるかに注目が集まる。そこそこの戦いをするチームだ。
<キーマン>
野手・・・古田
この人が140試合出られるのなら,優勝候補だ。しかし,やはり年齢から来る疲労はとめられないのか・・・この人の出場試合数が直接チームの成績になってくる。
投手・・・高井
高卒新人ではあるが,150km近い速球でぐいぐい押す投球は魅力いっぱい。教育リーグでは格の違いを見せている。6月ころに1軍に昇格すれば面白い。

5位――広島東洋カープ
投手は大分整備された感がある。黒田に,長谷川,佐々岡,高橋あたりは盤石。これに新外国人のニューマン,新人の永川ら加わって中を固める。打線は金本が抜けたが,その穴は新井でしっかりと埋まる。前後を緒方,前田で固められれば,打線は強力であろう。新外国人のハーストは少し期待はずれの感があるが・・・それでも5位なのは,全体を見渡したときに戦力が不足しているのが否めないからだ。6月をどう乗り越えられるかがかぎになるであろう。
<キーマン>
野手・・・緒方,前田,野村
山本監督が依然期待しているベテランたち。存在感は抜群。しかし140試合となると苦しい。この人たちが元気に何試合出られるかが勝負だ。
投手・・・長谷川
ブレークしそうでなかなかできない感じ。今年も発熱で結局開幕ローテーションからは,外れている。すぐに戻っては来るだろうが,何か頼りない。普通にやれば12勝はするであろう。

6位――横浜ベイスターズ
山下監督は知性派。そして静かな中にも意外なる熱血漢。しかし,その監督に与えられた戦力は苦しい。斎藤隆が,残留したことと若田部がある程度いけそうなのが大きいが,大黒柱の三浦が遅れているのが痛い。復帰は5月にずれ込みそうなので,それまでどういった戦いをするのか。ただ,外国人勢がいいような感じ。ドミンゴ,ホルトはある程度やってくれそう。中継ぎでは木塚が復活したのが朗報だが,河原,森中,福盛らがピリッとせず。抑え候補のホワイトサイドはまったくの未知数だ。先発では川村の復調も鍵であろう。一方打線は,古木が一人で気を吐いているくらい。今年30本はいくであろう。しかし,相変わらずキャッチャーは決まらず,4番のウッズもいまいち。しかし,監督がかわって気分一新。今年は戦力を作り上げるシーズンになるであろう。
<キーマン>
野手・・・古木
なにやら大ブレークの予感。どこまでいけるのか楽しみ。
投手・・・三浦
この人にかかっているといっても過言ではない。8年契約をしてくれた球団に恩を返さないといけない。

3/19
−−大塚問題について−−
昨日のスポーツ新聞各紙は,大阪近鉄の大塚晶文投手が金銭トレードで中日に移籍するという発表があったと報じた。一度近鉄との統一契約書に大塚がサインし,その直後に中日にトレードされるという形になる。
ここで大塚問題の概要を簡単に見てみよう。まず,去年,大塚は近鉄球団に対し,自身のポスティングシステム(入札制度)でのメジャー移籍を申し入れていたが,それが近鉄側から了承され,シーズン後大塚は,メジャーリーグの入札にかけられることとなった。ところが,メジャーに新しく設置されたサラリーキャップ制度(贅沢税。チームの年俸総額が150億円を超えたチームはその20%ほどをコミッショナーに支払わなければならないというもの)により,各チームの年俸や,複数年契約が抑えられていた。そのあおりを喰ってか,大塚に入札をする球団がひとつもなく,彼のメジャー移籍はここに来て暗礁に乗り上げた。この場合,大塚のとる道は,近鉄と契約をしてもらいシーズンの終了後にもう一度ポスティングにかけてメジャーの入札を待つか,近鉄が大塚を自由契約にして,単身渡米し,メジャーのテストを受けて入団するかの2点にほぼ絞られることとなる。ここで大塚は近鉄側に自由契約を要求。近鉄がこれを突っぱねると,今度は,国内他球団へのトレードを要求した。この背景には,もうすでにファンや近鉄球団のまえで,お別れのセレモニーなどをやってもらっているといういわゆるバツの悪さのようなものもあっただろうが,それだけではないであろう。とにかく2月1日のキャンプイン。宮崎の近鉄キャンプに大塚の姿はなかった。
いろいろな情報を見てみると,またこの人か・・・という,一人の人物が浮かんできた。団野村氏である。去年大塚は,ポスティングの直前に代理人を代えていた。それが自分を売り込むことに失敗した最大の要因であるということであるのだが,そのときはまだ代理人が野村氏ではなかったであろう。いつから野村氏が大塚の代理人になったのは定かではないが,ほんの1ヶ月ほど前であろうか,団野村氏を代理人に持つ,オリックス吉井,マック鈴木,佐野のいわゆる“野村ファミリー”が,“同じファミリー”の大塚応援のための激励として,帽子の裏に大塚の背番号11を書いてそれを本人に送ったという事実が判明した。それで私は野村氏が大塚の代理人であるということがわかったのであるが,その直後,今度は野村氏の密告で大塚がポスティングにかからなかったのは近鉄球団の不手際が原因という記事が週刊誌に掲載された。一方の大塚は,野村氏の入れ知恵であろうが,これでさらに態度を硬化し,絶対に譲らない。近鉄側も,水面下でトレード先を探し,とうとう昨日の結末になったというわけである。結果は,大塚の「ゴネ得」勝利であった。
もともとヤクルトの2塁手であった野村氏は,何があったのかはよくはわからないのだが,とにかく日本の球界に対しものすごい怨念を持っている。彼の理念は「日本球界をつぶす」というものである(これは事実である)。そして,その第一弾が,誰であろう,野茂英雄のドジャース移籍であった。野茂はメジャー移籍の開拓者として今でも皆が尊敬するが,実はメジャー移籍の本当の成功者は団野村氏であろう。野茂についてどうこう言う気はないが,彼はルールを破って出て行った。近鉄の対応のまずさもあったかもしれないが,ポスティングでもない,ただのわがままで出て行った事実は決して消えない。FAで堂々と「メジャーで自分を試してきます」という松井や,佐々木のようなものたちには心からの声援を送りたいが,それ以外のやり方は,果たしてどうなのだろうか。ポスティングに関しては,入札され,相手のチームがその選手を獲得することによって生じる入札金が球団に入るために,球団のビジネスといわれているが,今回のようなことがあったとき,球団側はもっと明確な態度を表明するべきではないのかと思う。結局はトレード。近鉄側がいやになったということもあるであろうが,野村氏の密告による事実がさらに明るみになることを恐れてのことであるとも考えられる。
いづれにしても,この悪しき前例によって,これからの選手は「粘れば何とかなる・・・」という気持ちを持つことができるようになってしまうのではないか。中日の山田監督は,手放しに喜んでいるが,果たしてそれでいいのだろうか。実際に大塚はキャンプにも参加しておらず,開幕出遅れは必至。そして,当然今オフはポスティングで球団を去ることになるのだ。ドラゴンズの選手はどう思うだろう。とにかく,きちっとしたルールというものをもう一度練り直し,作り直していかないことには,このようなプロ野球を壊してしまうようなことが繰り返し起こってしまうであろう。たかが,一人の選手のわがまま,たかが代理人にこれだけ振り回されるようでは,前途は非常に難しいものとなるに違いない。



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